くまごり 広島ラーメン.com

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ラーメンくまごり物語 最後まで読まずにいられない真実の物語がここにある。

第1章 序章

2011年12月19日、広島県広島市。
ビジネス街の一角にオープンしたばかりのラーメン店に
一人のスーツ姿の男性客が訪れた。

笑顔で迎える店員は2人。

通称「くま」こと新本一弘と通称「ごり」」こと新宅昭功である。

どことなしか緊張気味の2人。
それもそのはず、このラーメン店、今しがた新しくオープン
したばかりなのだ。

つまりはこの男性、2人にとって初めてのお客様。

「この、【ごりラーメン】をください」

「かしこまりました!」
オーダーを受けただけで心の中でガッツポーズをする2人。

麺を茹で始める「ごり」。
「くま」は丼を温めスープと薬味の用意。

徹底的に厳選した麺と、22時間煮込んだスープはこだわりと根性の証。
2人で試行錯誤をしながら生み出した、まるで我が子のような一杯。

息の合った2人は、手際よくその一杯のラーメンを仕上げて、
お客様の待つテーブルへと運ぶ。

厨房で2人はそれぞれ丼を動かしたりコップを拭いてみたり。
しかしながら気はそぞろ。
意識は全てラーメンを召し上がっているお客様へ!

「どうじゃろ・・・お口に合うんじゃろか?」
2人の心臓の音が店内に響き、こだまする(ように感じた)。

やがてラーメンを啜る音の合間に、男性の声がダンボになった2人の耳に
飛び込んだ。

それは、たった一言。「うまい。」

先に厨房にしゃがみこんだのは「ごり」。
一瞬お客を気にかけながら追ってしゃがんだのは「くま」。

「今、うまいって言うたよのぅ」
「うん、確かに言うてくれちゃったのぅ」

一瞬2人の眼が涙で溢れかけた。
しかし、ここは営業時間中の店内。

ぐっとこらえて笑顔で立ち上がる。
「ごちそうさま」 お客様の声がした。 涙を見せないように、満面の笑で2人の声が響いた。 「ありがとう、ございました!」

第2章 「くま」起つ

それは「ラーメンくまごり」誕生より1年前の2010年。
後に「くま」と呼ばれる新本一弘は、大阪にいた。

理化学機器の営業をしている彼は、
むせ返るような暑さの中、7月の大阪市街地を
走り回っている。

東京に本社を持つ企業の広島営業所から、1年間の約束で
単身赴任をしていたのだ。

大阪は嫌いじゃない。
しかし、家族と一緒に暮らしていないことは、新本に
とって辛いことのひとつだった。

そんな時、父親の死に直面する。
ある日の早朝、一度もかかってきたことの無い父親からの電話だ。

まさか、父からの「最初で最後の着信」になるとは、その時は露とも思わなかった。
目をこすりながら、いぶかし気に出てみた。 「広島消防局です…お父様の死亡を確認しました…」 とっさに出た言葉は、 「いたずら電話は迷惑なんぢゃが!!」 しかし、事実である事が次第に判明した。 電話の向こうで騒然としている家族。 そして、どう対応してよいかわからない自分。 現実なのか夢なのか半信半疑のまま新幹線に飛び乗った。 久しぶりの広島で起こっていた現実は想像を絶するものであった。 突如として「1人暮らしの老人」を強いられた母親。 そして、「身近な死に」直面し、うろたえる家族。
「やっぱり広島に帰ろう」 そんな思いが募り、苦悩と戦う中、任期が過ぎていった。 赴任期間も満了間際になった。 「もうすぐ広島に帰れる」 安堵の溜息の矢先、新たな辞令が下った。 【もう1年単身赴任の延長を命ずる】 家族を大阪に呼ぶことは難しい。 かと言って、いくら仕事のためとはいえ、 自分にとって本当に必要なことを犠牲にし続けるのには、 限界が来ていた。 「やっぱり広島がえぇよのぉ。起業してみようかのぉ。広島に帰って。」 かねてからの夢があった。 大のラーメン好きである新本。 日本全国津々浦々。唯一の趣味は「ラーメンの食べ歩き」。 ご当地のラーメンを啜る度に、「やってみたいのぅ、ラーメン屋」 をいう想いを募らせていたのだ。 しかしいくら好きでもいきなりは無理だ。 修行も必要であれば、店舗に設備も要る。 そんな折、大阪で懇意にしていた方からひょんな申し出が あった。 「ショットバーを閉めることになったんや。 必要やったら設備持っていってええよ。」 【物事を決めて実行に移せば道は拓ける】 新本は直感のまま運命を信じた。 設備を引き取り、広島に戻る。 店舗はすぐさま見つかった。 「ショットバーを経営しながらラーメン店で修行をし、いずれは自分の店を持と う。」 会社からは引き止められたが、 決めたことに関しては、後はスピード優先であった。

第2章 「ごり」も起つ

同じく「ラーメンくまごり」誕生より1年前の2011年。 後に「ごり」と呼ばれる新宅昭功は、広島にいた。 企業でプラントの設計技師をしていた新宅は、 大きなプロジェクトを任されていた。 主力事業であり、大きな利益を会社へともたらせた その事業。 しかしながら光あたるところには、必ず影ができる。 一部の社員からはやっかみで疎まれることにもなった。
入社以来、ただただ懸命に頑張ってきた設計の仕事。 本当に好きな仕事であった。 好きこそものの上手なれ。 社内でも一際目立つ存在になることは必然だったのだ。 しかし、悲しいかな人が集うのが企業。 設計技術職ともなると、真っ直ぐすぎるところもあったことは 否めない。 前会長の遺言で、「社長を外部から採用すること。」 というのがあった。 その新社長、新宅の仕事ぶりを見てこう言う。 「お前は面白いやつじゃのぅ。任しちゃるけぇ好きにしてみんさい。」 額面通りに真っ直ぐ受け取り、能率改善のために 新しい機械の導入を進めた。 今までの時間のロス、損失が改善され、結果大きな利益 生んだのだ。 しかし、ここに落とし穴があった。 かつての先輩技術者からすると、使い慣れた機械から 新しい「未知の機械」を操らなくてはならない。 甚だ面白くない訳である。 そんな彼らは悪い意味での一致団結。 外部から採用した社長を株主総会で辞任させる決定を 出したのだ。 今まで新宅に目をかけてくれていた社長が居ない。 次の日からはまるで針のむしろ。 回覧板すら回ってこない。 あるとき、東京に出張中のことだ。 携帯電話が鳴る。部長からだ。 「新宅、広島に戻ってきたら、お前、席が無くなっとるかも知れんぞ」 帰りの新幹線での暗い気持ちは、広島駅に到着する頃には 違うものになっていた。 「何か、新しいこと、始めようかのぅ。」

第4章 夢への挑戦

2012年。広島県広島市のショットバー。

バーテンダーと1人の客が会話をしている。

「オレ、バーを経営しながらラーメン屋をやりたいんですよ。」

「へぇ。どこで?この近所?」

「いえ、どうせだったらこの場所で。」

「えぇ!?このバーやめちゃうの?」

バーテンダーは新本。客は新宅である。

「昼はラーメン屋で、夜はショットバー。昼と夜、店舗の雰囲気をがらっと変え
て。」

「・・・自分、面白いこと考えるなぁ。」

2人の眼が輝いた。

後に2人はラーメンづくりの研究にいそしむ。
目的のある毎日である。必死に技術を体得する2人。

【夢と書いて、目標と読む】

ついにオープンにまでこぎつけた。

営業職と設計士。

まったく違う土壌から来た2人。

一杯のラーメンにもこだわり倒した。
「ああじゃない、こうじゃない。」

それぞれの主張がある。こだわるが故の衝突。

しかしあるとき「ごり」(新宅)が厨房で試作をしていると、
2階でオープンのためのメニューづくりをしていた
「くま」(新本)が降りてきて、こう言った。
「ごりさん」 いつになく神妙な面持ちの、くま。 「なんじゃい?」眉を寄せて聞き返す、ごり。 「本当に悔しいんじゃが、ごりさんにスープもタレも任せてえぇですか。 このままじゃオープンに間に合わんかもしれんけぇ…。」 その日から「くま」は「ごり」が徹底的にラーメンづくりこだわることができる よう、環境を整えた。
「ごり」は「くま」の期待に応えようと一心不乱に研究を重ねた。

第5章 遂にくまごり誕生

2011年12月19日。

ついにオープンした「ラーメンくまごり」。

お客様が来てくれるのか、不安に押しつぶされそうだった。
来てくださったお客様が満足してくださるのか、不安に押しつぶされそうだった。

ドアが開いた。

「いらっしゃいませ!」
初めてのお客様はスーツに実を包んだ男性。 きっと近隣の企業に勤めているビジネスマンだろう。 その男性のお客様は、ゆっくりと席についた。 「不屈の魂と根性のラーメン店、ラーメンくまごり。」 そのドラマは始まったばかりなのだ。 福満ヒロユキ

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